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WEBサービス開発

WEBサービスの開発期間、なぜこんなにかかるの?知っておきたい開発の裏側

投稿日:

 

「見積もりでは3ヶ月と言われていたのに、実際には半年以上かかってしまった...」

 

「なぜこんなに時間がかかるんだろう?」

 

WEBサービスの開発を依頼された際に、このような疑問や不安を感じた経営者の方は少なくないと思います。

私は18年以上WEB制作に携わってきましたが、開発期間についての相談は今でも多く受けます。今回は、なぜWEBサービスの開発にそれなりの時間が必要なのか、その裏側をお話ししていきましょう。

 

開発期間が長引く、3つの主な理由

 

開発期間が予定より長引く理由は、大きく分けて3つあります。

 

1. 要件定義の深掘りに時間がかかる

「こんなサービスを作りたい」という漠然としたイメージから、具体的な機能まで落とし込んでいく過程で、思った以上に時間がかかることがあります。

例えば、あるクライアント様から「予約システムを作りたい」というご相談を受けた際のこと。

当初は「カレンダーから日時を選んで予約できる」という単純な機能のイメージでしたが、詳しく話を詰めていくと:

・予約可能時間の細かい設定
・キャンセル時の自動メール送信
・スタッフごとの予約枠管理
・顧客の予約履歴の管理
・急な休暇設定への対応

など、実は多くの機能が必要だということが分かってきました。

このように、話を詰めていく過程で新たなニーズが見つかるのはよくあることです。ここでしっかり時間をかけないと、後々大きな手戻りが発生してしまいます。

 

2. 予期せぬ技術的課題への対応

開発を進めていく中で、思わぬ技術的な壁にぶつかることがあります。

ある決済システムの開発では、テスト段階で重要な問題が見つかりました。特定の条件下で決済処理が完了しない現象が起きたのです。

原因を調査したところ、他社のシステムとの連携部分に予想外の制約があることが判明。この対応だけで2週間ほど余分に時間がかかってしまいました。

でも、こういった問題は必ず解決しなければなりません。特に決済のような重要な機能は、慎重に対応する必要があるんです。

 

3. 複数の関係者との調整

WEBサービスの開発には、様々な立場の人が関わります:

・プロジェクトマネージャー
・デザイナー
・フロントエンド開発者
・バックエンド開発者
・インフラエンジニア

それぞれの作業のタイミングを合わせ、スケジュールを調整するのも一苦労です。

ある大規模なECサイトの開発では、デザイナーの修正案に対して開発チームから「この部分は技術的に実現が難しい」という指摘があり、デザインの見直しが必要になりました。

このように、チーム間での行き来が発生するたびに、どうしても時間がかかってしまうんです。

 

開発期間を無駄に長引かせないためのポイント

 

とはいえ、ただ漫然と時間をかければいいというものでもありません。以下のポイントを押さえることで、効率的な開発が可能になります。

 

1. 最初の要件定義をしっかりと

「急いては事を仕損じる」という言葉がありますが、WEBサービス開発でもまさにその通りです。

私の経験上、最初の要件定義にしっかり時間をかけたプロジェクトの方が、トータルでは開発期間が短くなる傾向にあります。

具体的なポイント

・サービスの目的を明確にする
・必要な機能を優先順位付けする
・想定されるユーザーの行動を具体的に洗い出す
・システムの制約事項を予め確認する

これらをきちんと詰めておくことで、後々の手戻りを防ぐことができます。

 

2. フェーズ分けして段階的に開発する

全ての機能を一度に開発しようとするのではなく、優先度の高い機能から順に開発していく方法です。

例えば、ある通販サイトの開発では:

開発フェーズの例

フェーズ1:基本的な商品掲載と購入機能
フェーズ2:会員登録とポイント機能
フェーズ3:商品レビュー機能
フェーズ4:おすすめ商品表示機能

というように段階的に開発を進めました。

このアプローチには以下のメリットがあります:

・早い段階で基本機能がリリースできる
・ユーザーの反応を見ながら改善できる
・予算の使い方を柔軟に調整できる
・開発チームの負担が分散される

 

3. こまめなコミュニケーションを心がける

開発チームとクライアント側で認識のズレが生じないよう、定期的な進捗確認と情報共有が重要です。

私が担当したあるプロジェクトでは、毎週金曜日に30分程度のオンラインミーティングを設定。その週の進捗状況を確認し、次週の予定を共有していました。

このような「小まめな」すり合わせが、実は大きな手戻りを防ぐことにつながるんです。

 

最後に:理想的な開発期間の考え方

 

「早ければ早いほど良い」というのは、必ずしも正しくありません。

品質を保ちながら、必要な機能をしっかりと実装するには、それなりの時間が必要です。大切なのは、その時間を効果的に使うことです。

開発期間について、私がクライアントの方々によくお伝えしているのは:

「急ぐべきところと、じっくり時間をかけるべきところを見極めましょう」

という考え方です。

重点的に時間をかけるべき部分

・セキュリティに関わる部分は慎重に
・ユーザー体験に直結する部分は丁寧に
・システムの基礎となる部分は確実に

一方で、装飾的な要素や追加機能については、サービス開始後に順次対応していくという選択肢もあります。

このように、メリハリをつけた開発計画を立てることで、効率的かつ効果的なWEBサービスの開発が可能になるのです。

くれぐれも無理なスケジュールを組まないこと。それが、結果的に質の高いサービスを生み出すことにつながります。

...とはいえ、「早く作りたい」という気持ちはよく分かります。私も同じ気持ちです。

だからこそ、開発チームとクライアントが同じ目標に向かって、良いコミュニケーションを取りながら進めていけたらと思います。

皆さんのWEBサービス開発が、素晴らしい成果につながることを願っています。

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